石原総合法律事務所 Ishihara Law Office

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所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直しについて
【2022.11.07】
所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直しについて

1 はじめに  皆様、突然ですが、土地の所有者がはっきりしない、所有者不明土地が何%くらいあるかご存知ですか。
 平成29年の国土交通省調査によると、全国における所有者不明土地の割合は22%とされており、その面積は、九州本島の大きさに匹敵するともいわれています。このような現状を改善すべく、所有者不明土地の解消に向けて、不動産に関するルールが大きくかわります。
2 ルール変更の大枠  大きく分けると、不動産登記制度の見直し、相続土地国庫制度の創設、民法のルールの見直しに分けられ、例えば不動産登記制度の見直しであれば、相続登記の申請が義務化されるなど、それぞれに重要な変更を含みますが、今回は、多くの方に関係すると思われる、民法のルールの見直しについてその概略をご説明します。 3 民法のルールの見直し  民法のルールの見直しは、大きく、①土地建物に特化した財産管理制度の創設、②共有制度の見直し、③遺産分割に関する新たなルールの導入、④相隣関係の見直しの4つに分けられます。
 ①は、所有者不明土地・建物の管理制度と、管理不全状態にある土地・建物の管理制度からなります。具体的にどのような場面で役に立つ制度かといえば、前者は、例えば所有者不明の土地を、裁判所が選任した管理人から購入することが可能となり(裁判所の許可が必要です。)、公共事業や民間取引の活性化につながることが期待されます。後者は、例えば、ひび割れ・破損が生じている擁壁の補修工事や、ゴミの撤去・害虫の駆除等を、利害関係人が、裁判所が選任した管理人に請求することが可能となります。
 ②は、共有物を利用しやすくするための見直しと、共有関係の解消をしやすくするための新たな仕組みの導入からなります。共有者の中に、所在不明者がいる場合に、地方裁判所に申立て、その決定を得ることによって、残りの共有者の同意や、残りの共有者の持分の過半数で、共有物の管理行為・変更行為をできるようになります。また、同じく裁判所の決定を得ることで、所在不明の共有者の共有持分を、他の共有者が取得したり、まとめて不動産全体を第三者に譲渡したりすることができます(ただし、裁判所において、持分に応じた時価相当額の金銭の供託が必要になります。)。
 ③は、遺産分割に時間制限を設けるものです。遺産分割は、法律で定められた相続分(法定相続分)等を基礎としつつ、個別の事情(例えば、生前贈与を受けたことや、療養看護等の特別の寄与をしたこと)を考慮して実施するのが一般的ですが、原則として、相続時から10年を経過した後にする遺産分割は、個別事情を考慮することなく、法定相続分(又は指定相続分)によって実施されることになります。これは、遺産分割に時間制限を設け、時間制限を経過した場合には一定の不利益を課すことで、遺産分割がされずに長期間放置されるケースの解消を促進することをその目的とするものです。
 ④は、隣地使用権のルールの見直し、ライフラインの設備の設置・使用権のルールの整備、越境した竹木の枝の切取りのルールの見直しからなります。これまで、民法は様々な改正を経てきましたが、相隣関係については実質的な見直しが実施されてきませんでした。そこで、隣地を円滑・適切に使用することができるようにする観点から、相隣関係に関するルールの様々な見直しが実施されました。
4 さいごに  紙幅の関係で、所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直しのうち、民法のルールの見直しのトピック部分のみを紹介させていただきましたが、今回の改正は、これまで任意であったものが義務になったり、できなかったことができるようになったりするなど、実務への影響もそれなりに大きいものになります。
 依頼者の皆様に、そのときどきのニーズに応じて最適な選択肢をご提示できるよう、改正後の実務の動向を注視して参りたいと思います。
弁護士 築山健一

調停制度施行100周年
【2022.10.20】
調停制度施行100周年

 10月13日、小雨模様の中、東京国立劇場において、第70回全国調停委員大会、調停制度施行100周年・日本調停協会連合会創立70周年記念式典が開催されました。
 調停制度は、裁判官と民間から選ばれた調停委員で構成される調整委員会が紛争当事者の間に立って、双方から話を聞き、互譲を促して、条理に適い、実情に即した解決を図る法的手続きですが、大正11年(1922年)10月1日に施行された借地借家調停法に基づく借地借家調停が始まりで、今年100周年を迎えました。しかし、日本では、古くから話合いにより紛争を解決する方法は取り入れており(江戸時代の「内済」等)、その起源は憲法17条に遡るとも言われています。
 借地借家調停がスタートした翌年、関東大震災により多くの借地借家問題が生じ、それに対応するために、裁判所は、東京市内に12か所の出張所を設け、10か月の間に、12000件の申立てを受理し、多くの調停を成立させて、被災後の混乱の解消に大いに貢献しました。その後、小作調停法(大正13年)商事調停法、労働争議調停法(大正15年)等、個別調停法の施行により調停制度は発展していきました。昭和14年には人事調停法が施行されましたが、女性からの申立てが70%を占め、多くの女性の権利保護に大きく貢献しました。戦後、家事審判法(昭和23年)、民事調停法(昭和26年)と施行され、現在の民事調停・家事調停の制度へと発展していきました。
 記念式典には、天皇・皇后両陛下がご出席なされ、天皇陛下は、調停制度の発展に尽力してきた調停委員等関係者に対して、「ここに長年に亘る皆さんの努力に深く敬意を表します。」今後も「当事者に寄り添いながら、紛争の解決に重要な役割を果たして行かれることを希望します。」とお言葉を述べられ、その後、三権の長から各祝辞をいただきました。
 今回初めて、全国大会並びに記念式典に参加しましたが、調停委員の一人として、調停制度・調停委員に期待されている役割の大きさを改めて痛感し、今後も調停制度の発展に少しでもお役に立てるように研鑽を積んでいかなければならないと気持ちを新たにいたしました。
弁護士 石原真二

共著出版のお知らせ
【2022.10.06】
共著出版のお知らせ

 「次世代ビジネス対応 契約審査手続マニュアル-「新しい資本主義」を踏まえた契約類型-」(新日本法規)が出版されました。当事務所の弁護士清水綾子が「第3章 カーボンニュートラルに関する契約の審査」の執筆を担当しました。

中部経済新聞に掲載されました
【2022.09.09】
中部経済新聞に掲載されました

 8月10日中部経済新聞「中経論壇」に私の以下の原稿が掲載されました。
 他に比べてIT化が遅れているといわれる裁判手続もいよいよIT化されます。
 
 「民事裁判のIT化に向けて
 本年5月18日、民事訴訟法の一部を改正する法律が成立しました。この改正により、民事訴訟手続における訴状などのオンライン提出、訴訟記録の電子化、ウェブ会議による口頭弁論期日などが可能となり、民事訴訟手続のIT活用の諸規定が整備されました。この改正民事訴訟法は順次施行されるため、民事裁判手続は今後4年以内に全面的にIT化されます。また、昨年4月からは、家事事件、民事保全・執行事件、倒産事件の各種手続のIT化についての検討も開始され、これらに関する法改正も近いうちに実現される見通しです。このような民事裁判手続などのIT化により、裁判所利用者は、裁判所に出頭することなく各種手続を利用できる場面が増え、出頭に要する時間や、労力、費用などが削減できるとともに、期日の調整が円滑となり、手続を迅速に進行することができると期待されています。
 一方、IT化の利便性の陰で、裁判の本来的な機能が失われないように注意しなければなりません。裁判手続は、国民の権利や義務を確定させる重要な機能を担っており、裁判を受ける権利は、国民に保障された憲法上の権利です。ITに習熟していない、あるいは、特定の環境下でITが利用できない人々が置き去りにされてはなりません。
 また裁判は公開が原則であり、公開されることによってその公正を制度として保障し、裁判に対する信頼を確保しています。当事者がウェブ会議の方法で参加する口頭弁論期日も当事者が在廷している場合と同様に公開されますが、傍聴人が裁判手続の公正を確認できる形での公開の運用がなされるべきです。
 さらに、民事訴訟手続においては、裁判所が直接取り調べた証拠だけを事実認定の基礎とするという直接主義の原則があります。証拠調べ手続において原本を確認する必要性や、実際に対面して行う証人尋問の重要性など、ITの利便性のみでは代替できないものもあります。
 他にもIT化により、地方の裁判所や弁護士が担うべき役割を都市部の裁判所や弁護士が担うこととなり司法過疎が拡大することにならないか、とか、ウェブ会議は非弁活動(本来訴訟行為に携わることができない者が訴訟行為を担うこと)の温床となり、当事者の権利を侵害しないか、などの懸念もあります。
 法改正によってIT化が全て完了するわけではありません。むしろ、ここからが始まりであり、IT化の利便性を活用しつつも、裁判の本来的な機能をないがしろにすることのないよう、私たち弁護士だけでなく国民1人1人が、今後の運用をしっかりと見守っていく必要があります。」
  
弁護士 清水綾子

【2022.08.19】
ハシビロコウに会いに行こう

 世界的なエネルギー価格の高騰に伴い、日本では節電・省エネが叫ばれています。自分は「省エネ」という言葉を聞くとどうしても、以前動物園で見たハシビロコウという鳥を思い浮かべてしまいます。
 ハシビロコウは「動かない鳥」として有名で、水辺の定位置で数時間じっとしたまま立っているほどです。できるだけエネルギーを消耗しないようにじっとしているのかと思いきやそうではなく、ハシビロコウが好んで食べるハイギョという魚が数時間に一度息継ぎのために水面に上がってくる習性があるため、そのタイミングを見計らっているらしいのです。省エネが目的ではないようですが、結果的には省エネになっているのかもしれません。
 自分も休日は一日中出掛けず家でじっとしていることが多いですが、ハシビロコウのようにご飯のタイミングを見計らっているわけではありません(ただゆっくりしたいだけです)。体力は回復しますが、家の中でクーラーやテレビを付けていれば省エネにもなりませんし、少し改善したほうが良さそうです。
 ハシビロコウはアフリカの熱帯地域に生息していますが、日本各地の動物園(神戸どうぶつ王国、那須どうぶつ王国、松江フォーゲルパークなど)にも十数頭のハシビロコウがいます。見ていてもなかなか動いてくれませんが、個体によっては活発に動くハシビロコウもいますし、正面から見た表情と横から見た表情とでギャップがあったりして面白いです。興味がある方は、是非ハシビロコウに会いに行かれてみてはいかがでしょうか。
弁護士 立松稜惟


神戸どうぶつ王国のボンゴくん。この位置から全然動きません。


同じく神戸どうぶつ王国のマリンバちゃん。食事中は荒ぶっていました。

暑中お見舞い申し上げます(夏期休暇のお知らせ)
【2022.07.29】
暑中お見舞い申し上げます(夏期休暇のお知らせ)

当事務所では、8月12日(金)、8月15日(月)を夏期休暇とさせていただきます。
8月16日(火)より業務を開始いたします。
なお、当面の間は感染症対策のため、10時から17時に時間を短縮させていただいております。
ご不便をおかけしますが、何卒ご了承ください。

事務所報2022年夏号はこちらからご覧ください。

成年年齢の引き下げについて
【2022.05.25】
成年年齢の引き下げについて

 明治時代から約140年間にわたって20歳とされてきた民法の成年年齢が、法改正により、今年(令和4年)の4月1日から18歳に引き下げられました。ちなみに、今年4月1日の時点で18歳ないし19歳だった人は、同日をもって一斉に成年となりました。
 選挙権をもつ年齢は少し前から18歳ですが、今回の法改正によって民法上の成年年齢も同じになりました。
 民法上、未成年者が契約等の法律行為をするには、親権者等の法定代理人の同意を得なければなりませんが、成年になれば、それを一人ですることができるようになります。従って、上記法改正後は、18歳になれば、一人で契約(クレジット契約、ローン契約、賃貸借契約等々)をすることができるようになります。
 また、未成年者は父母の親権に服しますが、成年になればそれに服さなくなります。従って、上記法改正後は、18歳になれば、自分の住む場所を自分で決めたり、進学や就職などの進路を自分で決めたりすることができるようになります。
 ただし、飲酒、喫煙及び競馬等のギャンブルについては、これまでと変わらず、20歳にならないとできません。この点はお気をつけください。
 ところで私の子どもは19歳のため、上記の法改正により今年4月1日に成年になりました。でも、誕生日でもない日に成年となり、かといって一緒にお酒が飲めるようになったわけではなく、なんとなく切りがよくない感じがしています。私の中では、一緒にお酒が飲めるようになったときが大人になったと実感できるときなのではないかと思っています。
弁護士 鈴木隆臣

弁護士入所のご報告
【2022.04.01】
弁護士入所のご報告

 この度 当事務所は、前名古屋地方裁判所判事補の築山健一弁護士を迎えることになりました。同弁護士は、平成31年から2年間、判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律の規定に基づき当事務所に弁護士として勤務しておりました。同弁護士は、その間、常に依頼者に寄り添いながら誠実に職務を遂行し、皆様から高い信頼を得ており、今回の同弁護士の加入は当事務所にとっても大変心強いものであります。
 当事務所では、これを機会に、業務体制の更なる充実を図り、より迅速かつ適確なリーガルサービスの提供に努めてまいりますので、今後とも一層のご交誼を賜りますようお願いを申し上げます。
所長弁護士 石原真二 

【築山弁護士挨拶】
 このたび裁判官を退官し、石原総合法律事務所に入所することになりました。
 もとより未熟者ではございますが、皆様のニーズを的確に把握し最適なリーガルサービスを提供できるよう、日々の研鑽を怠ることなく、誠心誠意、日々の業務に励んでまいる所存です。
 皆様におかれましては、以前と変わらぬご指導・ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
弁護士 築山健一

裁判のIT化等
裁判のIT化等
【2022.03.16】
裁判のIT化等

 やっと暖かくなり、春の訪れを実感できるようになりました
 今年の冬は寒さが厳しかっただけに、いつにも増して季節の変化がうれしく感じます。
 ただ、コロナはまだまだ治まらず、ロシアのウクライナ侵攻もあり、世の中は相変わらず暗いニュースばかり目につきます。
 そうはいっても、暗いことばかり考えていても仕方ないと思いますので、別のことを書きたいと思います。(明るくもありませんが。)
 1つ目、私たちの仕事に関することで、裁判も確実にIT化が進みつつあります。
 裁判の一部の手続がWEB会議の形で行われることが多くなっています。
 前からTEL会議という形はあったのですが、コロナに伴い、WEB会議の方式が定着しつつあります。また近々一部の裁判所で訴状等をネットで提出できるようになるとのことで、IT化が遅れていた司法の分野でも大きな変化が起こりそうです。(もっとも、私は全くついて行けません。)
 2つ目、私たちは、内部通報制度における外部窓口を担当することがあるのですが、最近件数が多くなってきています。内容はやはりパワハラ関係が一番多く、次に残業等の労働時間に関するものです。
 企業に求められるコンプライアンスは増々厳しくなってきていますので、経営者の方は労働問題には十分注意をして下さい。
 問題によっては、企業の信用問題に発展することさえあるのです。
 3つ目、私は津島市在住ですが、ゴールデンウィークの時期に市内の公園で藤まつりが開催されます。
 藤まつりはいろいろな所で開催されますが、津島の藤棚は大規模で一見の価値はあると思います。
 写真は一昨年、コロナで藤まつりが中止になった時の藤の様子ですが、美しさと香りは格別です。是非一度おこし下さい。
弁護士 杦田勝彦

新年明けましておめでとうございます
【2022.01.01】
新年明けましておめでとうございます

本年もよろしくお願い申し上げます。
事務所報はこちらからご覧ください。

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